自衛隊イラク派兵違憲訴訟の会・熊本
ホームあゆみ会員募集リンク問い合わせ

あゆみ一覧へ

ニュースレター4号 より 2005.08.01


8月1日第2回口頭弁論開かれる!

8月1日、雨が激しく降る天候の下、熊本地裁で、第2回口頭弁論が開かれました。前段集会では、中松共同代表が自衛隊イラク派兵違憲訴訟を通じて、改憲へ突き進む危険な情勢に歯止めをかけようと挨拶されました。


●平和的生存権は世界の人々の権利

法廷では原告と弁護人からの意見陳述が行われました。ミズアオイ

まず意見陳述に立ったのは原告の長迫玲子さんです。

長迫さんは自衛隊西部方面総監部がある健軍に生まれ育ち、小さいころから自衛隊を間近に見ながら育ったこと、なぜ親たちの世代は戦争を止められなかったのかと疑問を抱き母親にいろいろと問いただす中から「絶対に戦争をしてはいけない」という信念を持つに至ったことを述べられました。

さらに子供が生まれてからは特に「命」にこだわるようになり、平和運動へも参加してきた。湾岸戦争から、9.11,そしてイラク戦争で、国際法を無視してファルージャなどで無差別殺戮を続ける米軍に追随して「人道支援」を口実にイラクに自衛隊を派兵する憲法違反の小泉政権のやり方は「主権者である私の『戦争放棄の国の国民であるという誇り』を傷つけ、幼い頃から育んできた人格そのものを侵害する」と述べました。最後に「平和的生存権」は根源的な人権であり、日本国民だけの権利ではなく、全世界の人びとの権利であるとして、平和憲法を活かした判決を求めて陳述を終わりました。


●平和な日本に生きる権利とは

続いて、弁護団事務局長の塩田直司弁護士が意見陳述しました。塩田弁護士は自衛隊イラク派兵により、日本がイラク国内ばかりでなくアラブ世界の人々から米英と同じ占領軍の一員として、憎悪の対象にされている実態を告発し「私たちは,米国と同様にイラクの人々に対して加害者と見られていることを自覚する必要がある」と訴えました。

そして「平和な日本に生きる権利,平和な日本に生存する権利とは,どのような思想によるのでしょうか」と問いかけます。『亡国のイージス』という最近の映画の内容を紹介しながら、「平和ボケ」という戦後の日本社会の描き方を批判しつつ、平和を維持できたのは日本国憲法前文でうたっているように憲法9条を守ろうと不断の努力をおこなってきた私たちの先人の努力があったからと述べました。最後に平和的生存権は私たちの生命に関わる権利であり、戦争状態になればたちまち打ち砕かれてしまうから、その予防的効果にこそ本来の意味があり、平和的生存権による差し止め請求は認めなければならないと力強く述べました。さらに、イラク情勢が急展開する中で、今こそ積極的に裁判所が憲法の番人たる役割を果たすべき時だと締めくくりました。


次回弁論は10月14日と決まりました。


資料
長迫玲子 意見陳述 
塩田直司弁護士 意見陳述

このページの上に戻る