自衛隊イラク派兵違憲訴訟の会・熊本
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ニュースレター5号 より 2005.10.14 

10月14日第3回口頭弁論開かれる!


2005.10.14前段集会10月14日、熊本地裁で第3回口頭弁論が開かれました。この訴訟の最大の焦点である熊本第8師団からのイラク派兵が10月末にも予定されている状況下での開催であり、今回の弁論には多くの人々が注目して傍聴席は満員になるくらい盛況でした。10時半から開かれた裁判所前の前段集会では、原告の意見陳述を予定している県退職教職員等連絡協議会会長の大野進さん、弁護団の塩田弁護士などから挨拶を受け、その後多数の傍聴者とともに法廷へ入りました

●歴史を知る人間として派兵に反対する

原告意見陳述にたった大野進さん(76才)は戦争中熊本師範学校に通い、戦後は小学校教師として戦争への反省にたち、平和教育に取り組んでこられました。冒頭で、「今日も裁判所前に立って赤い煉瓦の上の丸い部分をじっと見つめました。そこには敗戦まで、燦然と輝く菊の紋章が付いていて、ここを通る時は、この紋章に最敬礼をしなければ通る事はできませんでした」と現在の裁判所正面の屋根の上にそびえる構造物が明治憲法下で民衆抑圧の道具に使われていたことが述べられました。

続いて1935年小学校入学時より10年間の戦時下での体験を具体的に示しながら、国民が戦争に組み込まれていく有様を語りました。1945年8月10日の熊本空襲時は防空監視員として寮の防火壁におり、グラマン戦闘機による機銃掃射をまともに受け、生きた心地がしなかったそうです。「国民は目も口も耳も封じ込められ、必勝を信じて、戦争遂行に協力しました。『一億一心』、『鬼畜米英』、『打ちてし止まん』、の言葉を忘れることはできない」と述べました。こうした悲惨な戦争体験から、戦争の愚かさを痛感し、戦後教師になってから文部省が発行した『新しい憲法の話』を子どもたちとともに声を上げて読んだそうです。

ところが最近の保守政治家の口から「現行憲法は、日本人の魂を否定するための憲法」「憲法とは何かと言えば、やはり、愛国心の一番の発露ではないか」「皇居に向かって天皇陛下に敬礼とか、天皇陛下に敬っていた。こういったものは元へ戻さなければいけない」などの発言が聞こえてくるが、これは戦争を知らない者の発言だ。歴史を無視する者は歴史によって否定される。イラク戦争については、今すぐ徹兵を要求する。戦争は人類最大の罪悪であるという認識に立って賢明な審理をお願いすると結ばれました。

●国会で派兵反対を訴える!

続いて、本訴訟弁護団の1員で、前衆議院議員(民主党)の松野信夫弁護士が意見陳述されました。松野弁護士は2003年11月の衆議院選挙(熊本2区)で初当選されましたが、今年8月の選挙では残念ながら落選されました。国会内では法務委員会に所属され、本会議でも数回質問をされた経験から、政府官僚は法案の詳細についてはよく勉強しているかもしれないが、実務的な法律の運用のされ方についてはほとんど調べていないことがよく分かったと述べられました。イラク派兵についても、サマワなどに於ける自衛隊の活動の実際がどうなっているのか裁判官自身が確認しないと、きちんとした判断はできないのではないかと指摘されました。防衛庁から提出されたイラクでの自衛隊活動に関わる最新の資料を提出され、自衛隊の早期撤退を訴えられました。


資料
大野進 意見陳述 
松野信夫弁護士 意見陳述

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