自衛隊イラク派兵違憲訴訟の会・熊本
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資料  2007.09.10
あゆみ第10回口頭弁論(原告本人尋問)参照

意見陳述一覧 参照

[1]荒木正信さんの本人尋問(本人調書)





第10回口頭弁論
2007年9月10日 熊本地裁

原告:荒木正信




原告ら代理人 (加藤)


甲第85号証を示す

 1
これはあなたが私に述べたことを私のほうで文書にして、それをあなたが確認されて署名捺印されたものに間違いないですね。
間違いありません。
 2
この中であなたは本件の訴訟の原告になったのは平和の問題を重要と考えたということなんですけれども、あなた自身の平和、あるいは戦争に対する考え方はどのようなものでしょうか。
私自身は戦後の生まれで戦争の体験はありません。上に3人姉がいるんですけれども、その姉たちから戦時中のことを、暗い防空壕に防空頭巾かぶって汗びっしょりで怖い思いをしたというような話とか、北九州の小倉の生まれですけれども、長崎の原爆が小倉に落とされる予定だったということを聞きました。そして長崎の原爆の資料館でその記述を見て、ああ、本当だったんだなあというようなことも受け止めて、もし小倉に原爆が落ちとったら私自身はこの世にいなかったんだなあというようなこともあったり、そういうことで戦争というものが非常に僕の中には怖いもので、あってはならん、あってほしくないなという思いがずっと小さいときからありました。
 3
そして平和の問題を取り上げるということはどういった考え方からですか。
小さいころからのそういう思いと同時に、私自身はもう20年以上労働組合の仕事に携わってます。労働組合というのはそもそも労働者の生活と権利を守るというのが大目的ですけれども、これもやっぱり平和でなくては、戦争になってしまえば労働者の生活と権利を守るということなど、守れる大前提そのものがなくなつてしまうという点では労働組合として平和を守る戦いというのは非常に大事だという位置づけで、私自身は特に労働組合の仕事の中でもこの平和の取り組みというものを重視してこの間ずっと取り組んでまいりました。その中で改めて平和の大事さというものを、そして今の日本の状況というものを学んできたというふうに思います。
 4
「戦争を許さない!熊本県民連絡会」というのに入っておられますよね。
はい。
 5
これは大体どのような活動をしてきたんでしょうか。
労働組合だけでなくて、労働組合以外のいろんな団体とも共同標的ということで、戦争につながる一切のことにかかわる取り組みをする、そういう団体として立ち上げたわけです。具体的にはガイドラインが出てきたり、あるいは周辺事態法とか、有事立法、こういった時の動きに呼応して運動をしてきました。主には集会とかデモとか学習、宣伝の取り組みですけど、今でも続けてますが、毎週木曜日に下通で宣伝署名行動等を行っております。

甲第79号証の3を示す
 6
自衛隊の情報保全隊というのが監視活動をしていたということは御存じですか 。
知りました。
 7
そしてこの甲第79号証の3を見ますと、熊本県の団体としては 「戦争を許さない!熊本県民連絡会」、それが書いてありますね。
はい。

甲第79号証の6を示す
 8
熊本日々新聞の記事ですけれども、この中の上から2段目に、 「六回のデモ行進や署名活動が記載されていた 「戦争を許さない!県民連絡会」の荒木正信事務局長は」と書いてありますよね。
はい。
 9
これはあなたのことですよね。
そうです。
10
ここに書いてあるようなことを言われたんですかね。自衛隊は国民の安全のためにあるのではない。市民を監視してるなんて一体何のためなのかと。
はい。
11
あなたはこの情報保全隊の動きというのはどうやって知られましたか。最初に知られたのはどういうことですか。
これは赤旗新聞というのがありますけど、そこの中央、東京の記者の方からそういう情報保全隊の資料が入手されて、あなたの名前が載っていたと、それで何月何日に宣伝行動、あるいは集会等をやったというようなことを書いてあるが、それは本当なんだろうかということで問い合わせがありました。それで私のほうは毎月会議をしてますので、毎月の行動を日誌的につけておりますので、それと照合したら間違いなかったので、間違いないということ、そういうことで初めて情報保全隊のことを知りました。
12
あなたとしてはそういう監視をされているということを聞いてどのように感じましたか。
正直言って怖くなりましたですね。
13
どういう点が怖かったんですか。
まず何のために私たちの行動が監視をされているのか、その目的ですね、その辺がはっきりしないということで。ですから、私たちは西部方面総監部に対してその目的をはっきりさせなさいと、それから直ちにやめなさいと、当然ですけれども、幾つかの質問も含めて申入れを行いました。回答はいまだにありません。ですから、そういう点では今も続いているのか、先ほど言った目的等について分からないままで非常に不安を感じておるとこです。
14
このようなあなたのような活動をこれまでは自由にというか、何の疑いもなく自由にされてきたわけですよね。
はい。
15 それであなたとしては陳述書に書がれたような思いを持ってるということですね。
そのとおりです。
        
16 あなたとしてはこの監視活動はあなたの平和の中に生きる権利というのを侵害したことになると考えていますか。
特にその思いを強くしております。
以  上
 






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