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ワールドピースナウ3・20in熊本
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 2008年3月20日集会挨拶

実行委員会より宮川経範さん

               ワールドピースナウ3.20 in 熊本 第五回目 あいさつ


みなさん、こんにちは。私はキリスト教の牧師をしています宮川経範と申します。よろしくお願いいたします。

まずは本日、ここにお集まりくださった皆さまに敬意を表したいと思います。なぜなら、皆さまは熊本のみならず日本の、そして世界の人々、友人たちと心を一つにし「人類を戦争から解放する」ため、人類の至高の目標である「平和」をこの地上にもたらすために、自ら志して今日、このとき、この場所に集まってくださったからです。その崇高な思いに感謝申し上げます。

熊本のワールドピースナウは第5回目を迎えました。ちょうど5年前の2003年3月20日、米英はイラクに戦争を仕掛けました。あれから5年もの月日が経ち、今なおイラクの人々は依然として戦火の中に放置され、難民となり塗炭の苦しみを強いられています。開戦後三年間で亡くなったイラク人の死者は推計で15万1千人に達し、米軍の攻撃のみならず、自爆テロ、イスラム教シーア派とスンニ派の宗派間の対立抗争の激化により、2007年以降も死者は増加し、イラク国内では250万人が、国外に200万人が難民となっていると報告されています。さらに米軍の兵士の死者数は四千人に達していると伝えられています。20世紀の戦争で夥しい数の命が奪われ、人類は戦争の愚かさを学んだはずなのですが、残念ながらいまもイラクで同じ過ちを犯し、罪を積み重ね続けています。

亡くなられた方々の死を悼み、しばしの間、黙祷を捧げたいと思います。…黙祷…

アメリカのブッシュとイギリスのブレアーは【テロとの闘い】を唱え、国連憲章や国際法を無視して一主権国家イラクに戦争を仕掛けました。しかし、開戦の大儀とされた大量破壊兵器はついに見つからず、米軍は、旧フセイン政権と国際テロ組織アルカイダとの関係を示す【決定的な証拠】は無かったと、報告書を出しています。イラク戦争の開戦理由が嘘であったということがまたもや明らかになったのです。開戦当時の小泉政権は無条件で開戦を支持し、私たちのこの日本は自衛隊を派兵してこの戦争に加担してしまいました。私たちはこの戦争の当事国になってしまったわけです。当事国でありながら、この日本はどれほどイラクの人々の苦しみを考えた事でしょうか。この五年間、戦争がまったくの嘘から始められたと証拠があがっても、この国はなお自衛隊を派兵し続ける事に熱心であります。多国籍軍に参加してきた国々は次々に脱落、支持を取り下げている中、日本は陸上自衛隊をサマワから撤退したものの航空自衛隊の輸送機によって軍事活動への協力を強化し、更なる加担を続けています。今年はじめには新テロ特措法は参議院本会議で強行に再可決され、海上自衛隊は再びインド洋に派兵され、米軍のアフガン・イラク侵略に加担しようとしています。小泉に続く安倍前首相の「戦後レジームの転換」は、軍備増強に走り、アジアの国際関係に緊張と対立をつくり出し、格差と貧困を広げて国民の不安を駆り立て、さらに現在の福田政権でも自衛隊はいつでもどこでも派兵できる危険な自衛隊海外派兵高給法案の準備が進められようとしています。

私は2004年10月、イラクの武装組織が日本政府にサマワから自衛隊を撤退せよとの要求を出し、香田証生さんを拉致殺害した事件を思い出します。実行犯はそのとき「日本は自国の憲法に反しているではないか」と指摘したのです。そのとき日本政府はあっさりと一青年の命を見捨てました。そのことはこの国のあり方を端的に表していると思います。どれほど開戦理由が無くても、どれほど人の命が奪われようとも、人権規定の憲法に照らし合わせて自国のあり方を反省し検討しなおすという姿勢は持たない、と言う事です。

そのような国に対し、全国で行われてきた自衛隊イラク派兵違憲,差し止め訴訟のひとつ熊本地裁での判決が2月29日に下りました。熊本地裁亀川裁判長はわたしたちの訴えに対して、「争訟性がない」(裁判になじまない)不適法として切り捨てました。75名の原告の訴えには具体的にはまったく触れず、私達が強く求めた憲法に基づく平和的生存権をめぐる憲法判断については、「現時点においては、平和的生存権をもって、原告らの主張するような具体的権利性を有するものとして裁判規範性を認めるには、なお躊躇を感じざるを得ないところである」と逃げました。熊本地裁、お前もか!という悔しさで一杯です。

いまこの国では、イラク戦争を止めさせ「人類を戦争から解放する」という願いは適わないかの情勢が支配しています。しかし、決して不可能ではない。戦争遂行するには抵抗するもの、遮るものを排除しそれらを乗り越えていかなければ出来ないからです。その者とはだれか? それは、あなたであり、私であります。日本国憲法の前文のことばを借りれば、「平和を愛する諸国民」の一員という自覚を持つもの一人ひとりです。

一九九九年にハーグで市民世界平和会議があった。そのとき、ネルソン・マンデラ大統領とともに、南アフリカ共和国のアパルトヘイトを廃止させた貢献に対してノーベル平和賞を受けたツツ大司教はが舞台に立って「人間は愚かだ。戦争をして、奴隷をつくり、人を支配してきた。しかし人間はすばらしい。四〇〇年以上も続いた奴隷制を廃止した。一〇〇年続いたアパルトヘイトも廃止できた。ならば、戦争を廃止することもできる。人間は戦争を廃止できるのだ」と呼びかけました。

また、1959年、世界人権連盟議長のロジャー・ボールドウィンは戦争をやめさせる方法を問われたとき、【みんなが反対すればやめさせられる】といとも簡単に答えたと言う事です。

私たちの反対を押し切るならば、国はそれ相応の覚悟がいることでしょう。
戦争許さないいう力強いメッセージこそが、最大の戦争防止力であり、戦争は防止できるという信念と発想が、新たな平和の秩序を世界に構築します。

私たちは、戦争を止めるために、そしてこの世界から戦争を廃止するために今日も歩みます。どうぞ世界の平和を求める人々とこの歩みを続け、さらに多くの人に呼びかけて、共に歩む道を広げ、平和への流れを作り、押しとどめようもない大河をつくって行きましょう。

世界の諸国民の平和のうちに生存する権利を認め合い、平和憲法を有する国家の名誉をかけて、平和と言う崇高な理想と目的を達成することを声を大にして叫びましょう。
 

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