自衛隊イラク派兵違憲訴訟の会・熊本
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資料  2008.07.14
あゆみ控訴審第1回口頭弁論

意見陳述一覧 参照

加藤修 意見陳述




控訴審第1回口頭弁論 

2008年7月14日 福岡高裁

弁護士 加藤修
意見陳述

       
1 
イラク派兵違憲訴訟弁護団の加藤です。
私は第1準備書面に関して、意見陳述をいたします。

添付してあります甲第98号証のDVDから得られた映像をご覧下さい。これは イラクの母現と娘の映像です。このいたいけな可愛らしい生命がイラク戦争によ ってまさに失われようとしているところです。この母と娘にどんな罪があるというのでしょうか。

2  
このようなイラクの悲劇をうみだしたものはアメリカを中心とした多国籍軍の イラク攻撃です。その攻撃は名古屋高裁判決によれば、平成19年にイラクで実施 した空爆は、1447回に及んでいます。

「平成16年11月8日からは,ファルージャにおいてアメリカ軍兵土4000人以上 が投入され、クラスター爆弾並びに国際的に使用が禁止されているナパーム弾、 マスタードガス、及び神経ガス等の化学兵器を使用して大規模な掃討作戦が実施された。残虐兵器といわれる白リン弾が使用されたともいわれる。」
とも判旨されています。

3 
またイラク戦争は「大義名分とされたフセイン政府の大量破壊兵器は現在まで発見されず、むしろこれが存在しなかったと国際的に理解されており、平成 17年12月には、ブッシュ大統領自身も大量破壊兵器疑惑に関する情報が誤っていたことを認めるに至っている」と判示されたことより、大義名分はくずれています。

アメリカがイラクでの石油利権確保の為に始めた戦争であり、これを第一番に支持したのが当時の小泉首相でした。

4 
名古屋高裁はバクダットは戦闘地域であり、航空自衛隊の平成18年7月以降の空輸は、大多数が武装した多国籍軍であり、それは主にアメリカ軍であると認定され、これは多国籍軍の戦闘行為にとって必要不可欠な軍事上の後方支援を行なっているとして、この行為をイラク特措法およぴ憲法9条1項に違反するとしたのであります。

5 
つまり日本はイラクで戦争を行っているというのです。そのことは私達自身がノラクで人を殺していることにつながるのです。そしてこのことは、私たちの控訴人が戦争に加担したくないとの思いを日本国政府が踏みにじっているということを表しているわけです。さらにイラクの子どもたちを気づかっていた優しい福岡の青年、香田証生さんも日本の自衛隊派兵を理由として、イラクで首を切られ、殺害されてしまったのです。

控訴人らの平和的生存権が侵害されていることは明らかではないでしょうか。

6 
冒頭に見ていただいたイラク人の母と娘の苦しみを自分の苦しみとして行動し、又わが国が戦争の一方当事者になることで、日本国民がこのような悲惨な苦しみを受けないように平和的生存権を主張しているものです。

控訴人らの切なる思いに応えていただく審理を心より求めるものです。



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