自衛隊イラク派兵違憲訴訟の会・熊本
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ニュースレター号外 より 2008.07.14


福岡高裁(西裁判長)1回結審の暴挙!


7月14日福岡高裁で始まったわたしたちの控訴審裁判は、なんとたった1回の口頭弁論で結審するというとんでもない結末を迎えました。法廷はペテン的な訴訟指揮をした西裁判長に対する怒りの声がこだましました。

名古屋高裁判決をうけて、日本の司法府が「統治行為論」に代表される安保防衛問題に対する「逃げ」の姿勢を改め、正面から憲法判断に踏み込むのかがためされる法廷でしたが、福岡高裁西裁判長は旧来の裁判所の姿勢を一歩も踏み外すことなく審理に踏み込むことを拒否し、わずか30秒ほどの猿芝居的「合議」で審理打ち切りを宣言しました。7月14日は日本の裁判史上に残る「司法府の死」を裁判所が宣言した日として、国民の心にとどめておくべき記念日となるでしょう。


1週間高裁門前でチラシ配り

福岡高裁民事三部西理裁判長は30分の映像を交えた意見陳述を要請した弁護団に対して、映像は認めない、15分で意見陳述を済ますようにと言う訴訟指揮をしてきました。これは一回で結審という可能性があるとして、私達はなんとしても一回結審を止めるべく、福岡の人たちと連帯して7月8日から11日まで、毎朝8時から裁判所門前でのチラシ配布を一週間続けてきました。14日も法廷が満員になる80名の傍聴人が九州各地から駆けつけました。



板井俊介弁護士   原告・支援者
裁判前の集会


弁護団が意見陳述

裁判長は弁護人に対して意見陳述を認め、加藤弁護団長、塩田事務局長、板井俊介弁護士の三名が意見陳述を行いました。最初に発言に立った加藤弁護士は、西谷文和さんのDVDの映像を紹介しながら、この戦争に日本が参戦している事実を突きつけ、控訴人たちがこのような戦争に加担したくないという思いが日本政府により踏みにじられていると訴えました。

塩田弁護士は名古屋高裁判決に対する国の準備書面に触れながら、「傍論」であるという批判は的をはずれていると批判しました。日本政府が戦争をしようとする時に司法は手をこまねいている他無いのか、平和的生存権の具体的権利性を認めた名古屋高裁判決の認識を踏まえて自衛隊活動の実質審理に踏み込むことが求められると述べました。

板井弁護士は13日の中日新聞でサマワ駐留の陸上自衛隊に13回22発のロケット弾攻撃があったことを紹介し、さらに黒塗りの空自週間空輸実績報告を取り上げてサマワとバグダッドが戦闘地域であり、被告国側はこの事実に認否・反論を行うべきだと主張しました。


●最初から仕組まれた「1回結審」

その後西裁判長は控訴人側から提出されている証人2名の調べについて「合議する」といって席を立ちました。

ものの30秒ほどで再び裁判官席に戻るや、「証人採用を却下し、裁判を終了する」と小さな声で告げました。傍聴席からは「ちゃんと審理をしろ!」「暴挙だ!」「審理打ち切りを許さんぞ!」などと一斉に抗議がなされ騒然となりました。板井俊介弁護士は「被告国は、名古屋高裁判決以降も航空自衛隊を依然として派兵していますが、違憲判決は確定している。それは国も認めざるを得ない。国は、名古屋高裁判断に従うのか、従わないのか。熊本からこうやって大勢駆けつけています。それくらい返答しなさい!」と詰め寄りました。

すると裁判長は「静かに!これ以上騒ぐと退廷させますよ」などと言い出し、続いて判決期日は10月6日(※後日2009年1月19日に延期)午前11時とすると弱々しく言い残すと法廷を出て行きました。これに対して「戻って審理をし直せ!ペテンだ!恥を知れ裁判長!」などと抗議が続き、廷吏たちも何も言えず呆然としていました。


その後門前で報告集会が開かれ、弁護団、各地から駆けつけた支援者・原告たちから次々に福岡高裁西裁判長の暴挙を糾弾する発言が行われ、10月6日まで時間があるので、出来ることは何でもやろうということを確認しました。

裁判後の集会・塩田弁護士 裁判後の集会
裁判後の集会(塩田弁護士)
裁判後の集会
裁判後の集会・原告
裁判後の集会(原告の発言)
裁判後の集会
裁判所の門前で坂道を挟んだ集会
怒りのシュプレヒコール
裁判後の怒りの集会・裁判所へシュプレヒコール



●司法府の独立を投げ捨てた西裁判長

ほんとうに権力の「刺客」ではないかと思えるような西裁判長の訴訟指揮が際だちました。おそらく、政府・自民党から最高裁への圧力は相当なものが予想され、司法府の独立などお構いなく最高裁事務局から福岡高裁へ強力な指示が出されていたのではないでしょうか。

私達はこれにひるむことなく、名古屋高裁判決を広め、福岡高裁に対しては様々な方法で抗議し、さらなる書証を提出し闘う姿勢を堅持します。7月29日違憲訴訟の会・熊本の緊急集会を開き、今後の闘い方を意志一致して運動を進めます。
判決は10月6日(※後日2009年1月19日に延期)です。

資料
国側(被控訴人)の答弁書2008.06.16

意見陳述

加藤弁護士
塩田弁護士
板井俊介弁護士




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