自衛隊イラク派兵違憲訴訟の会・熊本
ホームあゆみ会員募集リンク問い合わせ

あゆみ一覧へ

ニュースレター8号 より 2006.04.17

4月17日熊本地裁で第5回口頭弁論開かれる!

4月17日、熊本地裁で自衛隊イラク派兵違憲訴訟の第5回口頭弁論が開かれました。今回から裁判長が福岡地裁で小泉首相の靖国参に拝違憲判決を下した亀川裁判官に交代しました。午前10時半から前段集会が開かれ、藤岡原告団長の挨拶、意見陳述が予定されている武蔵ヶ丘教会の宮川牧師、弁護団の板井駿介弁護士から挨拶を受けました。

前段集会で発言者を見守る参加者 原告の宮川さん
裁判前の集会

       挨拶される宮川牧師


●香田証生さんは誰に殺されたのか?

亀川裁判長が弁論の更新手続きを行ったあと原告側の意見陳述へ入りました。
まず原告からは武蔵ヶ丘教会牧師の宮川経範さんが陳述しました。宮川さんはイラクで殺害された福岡県直方市在住の香田証生さんのご両親にお会いしてお聞きしたことを中心に話しました。
先月イラクで香田さん殺害事件の実行犯が逮捕され、サマワから自衛隊を撤退せよとの要求を日本政府が拒否したことが殺害動機であったと自白したことに衝撃をうけたといいます。香田さんのご両親は小泉の「テロには屈しない」「自衛隊は撤退させない」という言葉を死刑宣告とうけ止めたそうです。1977年、日本赤軍が日航機をハイジャックしたダッカ事件、1996年のペルーの日本大使公邸占拠事件では政府は「人命は地球より重い」として粘り強い交渉や超法規的措置も含めて人命優先で対応したのと比べて、小泉政権は何の手だてもせず一人の国民を見捨てたと断罪しました。

更に最近見つかった写真などを手がかりに、香田さんのイラク入りが無目的なものではなく、劣化ウラン弾に苦しむ子どもたちを救いたいという崇高な目的を持ったものであることを明らかにしました。宮川さんは「自国の国民の安全と平和を守ることをせず、米国の世界戦略に呼応するだけの外交を推し進め、大義もなく泥沼化するイラク戦争に加担し続ける日本政府に対し、謙虚な反省と速やかな自衛隊の撤退、真摯な謝罪を求めます」と締めくくりました。

●板井弁護士の意見陳述

続いて弁護団の板井優弁護士が意見陳述しました。今回第4準備書面を提出し、原告は自衛隊のイラク派遣は「イラク特措法」第2条第3項第1号の要件を充足していないと主張してきた。イラク特措法第2条第3項1号は、「対応措置」(人道支援活動又は安全確保支援活動)を実施するにはイラクにあっては「施政を行う機関の同意」が必要であるとされている。しかし日本政府がこの同意を取って自衛隊を派遣した事実は今まで確認されていない。最近のイラクの内戦状況を見れば、イラク特措法第2条第3項第1号「施政を行う機関の同意」を充足する見込みは全く立っていないことを明らかにしました。

板井弁護士
板井弁護士


更に政府があくまでも自衛隊をイラクに派遣するのはわが国を「戦争の出来る国」にする目的のためであると断罪します。自民党改憲試案に「軍法会議」が記されていることにもふれ、今後裁判所はイラク特措法違反など事実に基づいて証拠調べにはいるべきだと言います。必要であればイラク現地での検証なども視野に入れて裁判を勧めることを訴えました。

次回弁論は7月10日と決まりました。


資料
第4準備書面
宮川経範さんの意見陳述
板井優弁護士 意見陳述 

このページの上に戻る